• 2016.03.05
  • シェルタリング・スカイ




    41C6S21WS8L.jpg
    ウィキ→ https://ja.wikipedia.org/wiki/シェルタリング・スカイ


    少々前のことだけど、やっと、やっと観ました。
    なにかに気が散った状態で観たら感動できそうになく
    観るのを先送りしていた、ベルトルッチ監督の「シェルタリング・スカイ」。
    とっておいてヨカッタ!

    オープニング曲に乗って、ニューヨークの景色がモノクロで映ります。
    曲が終わると、画はカラーになり
    登場人物たちがアフリカに降り立ったところからストーリーが始まりますが、
    そのシーンの美しさにいきなり心を奪われます。
    ベルトルッチ監督の映画はめくるめく展開にドキドキハラハラするものでなく
    描かれる人物を観て彼らの心理を想像する、映像美に浸るかんじで私は観ています。
    (人によっては超退屈と思いますが、伏線が張られまくりなのでボーッと観ててはダメ。)

    今回迷いましたが、あらすじを詳しくはチェックせずに観ました。
    人物の心理を自分の解釈で観続けると「???」となる場合があり、
    あらかじめストーリーを知っておいたほうが感動できたりするので
    どうしようかなーと思ったんですけど。。
    でも私の解釈で観ても、良いものを観られたなあと思えました。
    (観終わったあとにレビュー等をチェックしたら、ストーリーや心理の読み違いがあったんですが
     比較して、映画を思い出す時間も愉しめました。)

    主演のジョン・マルコヴィッチについて。
    この人、浮世離れした役がハマりすぎ。
    発声・声質も最高でナイス・キャスティング!

    忘れられないシーン。
    タイトルの「シェルタリングスカイ」の意味がわかるシーンで、見せ場です。
    「(アフリカのこの)空がシェルターのように自分たちを守ってくれる」ってセリフ。
    すごくないですか、広大な空がシェルターって。
    でも、なんとなくワカルというか、
    自分が犬の散歩で、10分歩こうが誰にも会わない、
    見渡すと人がいない、もしくは遠くに1人・2人見えるようなド田舎の道を歩いていると、
    広い空間なのに犬と私だけしかいない、そこだけ時間の流れが止まっていて、
    社会の決まりも関係ない空間だと錯覚することがあるんですよ。
    それがアフリカの空の下だったら、シェルターと感じちゃうかも・・・なんて思いました。

    (困ったのが、映画を観終わったあと、私にとってのシェルターである「住まい」が
     すごくチマチマしたものに感じたことです。(笑)
     持ち物を絞って心の平穏・・・とか、普段はナルホドと思うのですが
     映画のシェルターと、自分のシェルターを比較したら、自分のがしょっぱいやんけ!みたいな。
     ベルトルッチ映画の余韻に浸れた。)

    そして、「シェルター」に居たとしても何故かいつも不安、安心できないのは
    自分が問題なんだなーと、映画の登場人物と自分はその点が同じなんだと、しみじみ思ったのでした。
    涙が流れたわけではないけれど、心がちょっと泣けたワ。。。

    妻が結婚十年を長いと言ったことに対して
    夫が「そんなに長くはない」と答えるところには
    ほかのどのシーンよりも夫婦の溝のようなものを感じました。
    「夫に時間の概念がない」というのはそれまでの幾つかのシーンで伏線が張られていて、
    このやりとりで私にハッキリ見えました。
    10年いっしょにいて、夫は自分(妻)の存在、
    愛が冷めていてもなんだかんだで共に過ごしてきた時間など、どうでもいいふう。
    空虚を埋めようとやってきた異国で、周りにはもう異国の人間しかいない土地で、
    今知っている人間はお互いしかいない状況で、そう言われた妻、、、むごいわ、妻。。。
    妻のすぐ隣にいても、2人で空のシェルターに守られても、夫は「遠い」。
    その後、妻が夫を近くに感じたのはほんの一瞬、夫の死の直前。
    その一瞬を嬉しく感じる余裕もなく、夫の肉体はこの世から消えてしまった。

    ストーリー後半の私の解釈は、
    妻が一人で生きていくしかなくなり、、、言葉も通じない身の危険がある地から自力で出なくてはならず、
    奮闘すれど、とんでもないことになっていく、、、というふうに見えました。
    夫を亡くした喪失感でおかしくなる、というのがホントのストーリーのようだけど
    私には喪失感はありながらも、どちらかというと
    「自分は夫についてきて、今ここにいるが、
     ここは白人の女が1人でうろついて平気なところじゃない、どうしよう!?」って恐怖のほうが上、
    生存本能のほうを強く感じたなあ。
    私が夫を突然失ったら考えそうなこと
    =これからどうしよう。悲しみにくれている場合でない、生活のためなんとかしなきゃ
    ・・・って主観が入っちゃいました。

    そんな解釈で見続けちゃったけど、それはそれでヨカッタです。

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    梅松 竹子

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